きちんと理解すれば怖くない椎間板ヘルニア

日本人の2人に1人、3人に1人とも言われる腰部の不具合には様々なものがあります。ぎっくり腰(椎間関節炎、スプリングバック、腰部筋筋膜裂傷など)、慢性腰痛症など、その多くは腰部の痛みや違和感として現れる症状ですが、腰部に不具合が生じて臀部(お尻)から下肢にかけての激痛や痺れを伴う症状があります。皆さんもよく耳にされたことがあると思いますが「椎間板ヘルニア」という症状です。

多くの方は「椎間板ヘルニア治療=手術」と考えがちですが、実はある程度の日数は必要となりますが現在では自然治癒すると言われています。では実際に椎間板ヘルニアとはどのような症状なのかを考え、その原理や内容を良く知ることが適切な対処方法となりますので詳しくご説明して行きましょう。

本来椎間板ヘルニアは腰部だけでなく、脊椎においてはどの部分にも現れる可能性があります。例えば頚椎(首)ヘルニアでは肩から手指にかけて痛みや痺れが現れます。その他にも脳ヘルニアや内臓にもヘルニアは生じる可能性があります。ではこのヘルニアとは一体どのような意味なのか?
本来ヘルニアとは「飛び出す」という意味合いを持っています。

つまり何かが飛び出して身体のある部分に触れて刺激をすることで痛みや不具合を引き起こしていると言われています。具体的に腰椎椎間板ヘルニアを例にとって考えてみましょう。脊椎には首から数えて腰まで24個(骨形成などの問題で25個の方もまれにいます)の椎骨があります。聞きなれた言葉で言えば俗に言う背骨です。その椎骨の間にはよく軟骨として表現される椎間板というものが備わっており、人間が動く際の骨同士を支えるクッションのような役割をしています。この椎間板は上部から見ると木の年輪のような構造をしており、木の年輪に当たる部分を線維輪と呼びます。その線維輪の内部には髄核と呼ばれるものがあり、強い衝撃や外部からの外的要因などによって椎間板が押しつぶされ、線維輪を突き破って内部の髄核が後方へ突出してきます。人間の脊椎の中には後方に脊髄神経が走行しており、その脊髄神経から枝分かれした脊椎神経に髄核が触れることが刺激となり痛みや痺れが現れます。

よく椎間板ヘルニアの際に用いられる検査方法で、仰向けに寝て足を持ち上げます(ラセーグテスト、ラセーグ兆候)。その際の角度やその他の腱反射の消失があるかどうかを見極めますが、基本的に足を上げることで痛みが増悪します。これは、イメージとしては足を持ち上げる姿勢は、脊椎の前側(おなか側)が狭くなる姿勢となります。逆に背部が広がるような状態となります。おなか側が狭くなるということは、イメージ的には椎間板が後方へ押し出されてしまうというように考えて下さい。椎間板が後方へ押し出されてしまうとどうなるか?より一層神経を刺激して痛みが増します。このことから、まれに例外もありますが、基本的には本来、椎間板ヘルニアの方はお辞儀をする姿勢がとれなくなります。また、無理に前かがみの姿勢をとろうとすると症状は悪化してしまいます。その後方へ突出した髄核を切り取るのが手術となります。
現在では内視鏡による手術もあり、以前よりは身体にかかる負担も入院日数もかなり短くはなりましたが、一度手術をすれば再発しないというわけではありません。早ければ数ヶ月程度で再発する可能性もありますし、数年もつ方もおられます。ではどのように対処してゆけばよいのでしょうか?これには幾つかの段階を踏まえて考える必要があります。まずは痛みのひどくなる姿勢をとらずに数日間(3日?1週間程度)腰を固定して安静にします。特に湿布や冷却は必要ありません。次にお風呂などでよく温めること。その後、前かがみになる姿勢の反対(背中を少しずつ反らす)方向への体操やストレッチ。ある程度動けるようになったらば骨盤部をゴムチューブ(ストッキングを束ねたものやロープなどでも代用可能)などで骨盤部を締め、腰の旋回運動を行う。このように、初期段階の数日は安静にすることも必要ですが、どんな症状でもそうですが必要以上の安静は回復を妨げる可能性がありますので、基本的には日常生活の中で普通に動ける程度の動きを行うようにしましょう。

また、人間の身体は修復作業を体内で行っておりますが、その際に必要となるのが大量の血液循環です。その為むやみに冷やすのではなく、温めることでなるべく血行を促してゆくことを心がけて下さい。痛みで全く動けない方でも回復してゆきますが、そこまでやってみてどうしても良くならないのであれば手術はそれから考えても遅くないのではないでしょうか?

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